2012年5月3日木曜日

SAAP(Stand Alone Access Point)を作る=DPRS編= 付録「DPRS i-gateを持ち歩く」

Back




前回の「コントロール編」から追加になった機能の紹介編である。
  • 大まかにメニューの変更を紹介すると、まず[Current Status]が上に移動し、運用に使用しやすくなった。
  • 今までのメニューは[+SAAP Setting]と[+Node Adapter Setting]の2つに分類され階層化された。
  • [+SAAP Setting]の中に、[Reboot]が追加され、基板上のボタンを押さなくとも(例えばリモートでも)リセット出来るようになった。
  • それと大きな変化は、「DPRSにカーチャンクを気にせずアクセスできる」ことと、「APRSメッセージを送受信できる」ことである。
  1. DPRS Configuration

  2. ・まずDPRSを有効にして、 「Server IPPort」 「Callsignバリデーションコード(別途取得した認証番号)」を入力する。
    ・[D-STAR ID]は通常インターネットへのゲートウェイとして「I」を用いる。
    ・[Alt.Msg.SSID]には、メッセージを送信するときに使用したいSSIDを記入する。 この結果後述の送信画面で「JE3HCZ-M」が選択可能となる。
    ・[Accept from Radio]はID-31のように、GPSデータ(GPS-A)の送信可能な無線機の位置情報を受け付ける。
    ・[Accept from Inet]はインターネット側からのGPSデータを受け付ける。 APRSメッセージはこの設定とは無関係に受け付けるので、通常はチェックを外しておく。 チェックしているとリフレクタなどに接続したとき他の局のGPSデータを受け付けることになる。
    ・[Auto. Link]は文字どおりSAAP起動時サーバーに自動接続する。
    ・[Auto.Relink]これはドイツの局からの要望で取り入れられたもので、 24時間毎にプロバイダーからリースされたグローバルアドレスが振り直されるらしい。 したがって、接続が切れやすい環境では日本でも利用できる。
    ・[Client ID]上記の[コールサイン]と[D-STAR ID]から生成された「JE3HCZ-I」がクライアントIDである。 ここにチェックすると、 DPRSのゲートウェイであるシンボル<D>とクライアントIDが「aprs.fi」上に表示される。
    ・[Latitude][Longitudeaprs.fiの右ペイン中段にある「他の見方」のカスタマイズをクリック、 表示されたダイアログボックスの[単位と時間]タグを開けて、 [位置表示フォーマット]を「小数点表示」に設定する。 この状態で特定の場所をマウスポイントすると、左上部に北緯・経度が小数点表示されるので、そのまま入力出来る。
    ・[Comment]クライアントIDが表示されたとき、明細に表示される。
    ・[Interval]クライアントIDを表示し続ける時間を設定する。
    ・[SMTP Server]APRSメッセージをEメールとして指定したアドレスへ転送する。 この時の契約プロバイダーの送信サーバを設定する。
    ・[Port]通常は「25」であるが、認証サーバーを使用しているときは「587」を入力し、 以下に認証用アカウントを設定する。
    ・[User][Password] 設定が終わったら[Save]ボタンを押して終了する。これらの設定はテキストファイル「DPRSSET.TXT」に保存される。

  3. APRS Msg. Control

  4. ・[Callsign]「コントロール編」の「初期インストールファイル」に有った「CALLSIGN.TXT」の用法を参照。 そこで述べてある「ALLOW」の設定をここに入力する。図のJE3HCZ*はSSIDが何であったもの意味になる。
    ・[RF]に「ON」と入力すると、APRSメッセージがSAAP配下の無線機へ送信される。
    ・[E-mail address]「DPRS Configuration」の「SMTP Server」で設定した送信サーバーから、 APRSメッセージが送信される宛先のアドレスを設定する。 もちろん送信サーバーと一対になっている同プロバイダーのアドレスでも良いが、 全く違うISPのアドレスでも、受信可能ならOKである。
    ボタンをクリックすることにより[削除][挿入][編集][追加]が出来る。

  5. APRS Message Send

  6. ・[Sender Callsign] (1)で設定した[Callsign]+[D-STAR ID]または、[Callsign]+[Alt.Msg.SSID]のどちらかが選択できる。
    ・[Destination]メッセージの送り先である。 例えばスマートフォンにJE3HCZ-5を設定してあるとすると相互に通信テストできる。
    ・[Message]メッセージ本文を入力。アルファベット、数字、一部の記号のみ使用できる。
    ・[Send]で送信。
    ・[Clear]で入力文字をクリア。
    ・[Refresh]を送信後5秒ほどして押すことによって
    ・[Ack Received]にチェックが入れば相手が受信したと言うことである。
    ・[Last Recv.Mes.Info]の2行には直近の受信メッセージが表示される。

    さらに、この直近の受信メッセージは[Current Status]にも表示されるようになった。
    ・[APRS Server]行にはサーバへの[Link][Unlink]ボタンと、 aprs.fiへのリンクが追加されている。
このようにはがき大のケースに収まってしまう基盤の組み合わせで、 DPRS とAPRS の変換やメッセージのやりとりが出来てしまうと言うのは大きな変革だと思う。 APRS素人であった私にとっても、非常に勉強になった。 しかし過去から営々と積み重ねられてきたAPRSのシステムはいろいろな工夫や配慮の上に成り立っている。 DPRSは、その仕組みを利用させてもらって成り立っているのも事実である。 OM諸氏に尋ねるなり、WEBで調べるなり勉強の欠かせないところである。

今回の記事を書いている間に、SAAPはバージョン00.28になりました。次は、さらに大きな接続オプションの変更がなされるようである。乞うご期待。

Back


J E 3 H C Z @REF047

0 件のコメント:

コメントを投稿